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フィリピンコーヒー〈バアヤン村〉

フィリピンコーヒー〈バアヤン村〉
Kape ng Philipinas BA-AYAN

■2018年、フィリピン・ルソン島の山岳地帯、ベンゲット州トゥプライ郡のコーヒー生産者たちが研修のために来日した際、横浜を拠点に活動するNGO「WE21ジャパン」を通じて、珈琲工場&百屋へ訪問を受けました。WE21ジャパンは、2010年から、現地の環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク」(CGN)と協力し、コーヒーの植樹による森林再生プロジェクトに取組んでいました。珈琲工場&百屋は、このコーヒー生産者たちとの出会いをきっかけに〈バアヤン村〉珈琲を知り、WE21ジャパンやCGNの活動に共感し、2019年11月、珈琲豆を販売することになりました。

■バアヤン村は、標高900~1300mの山岳地帯にあります。高原野菜のはやとうりや菊などの花卉栽培が盛んです。赤道を中心として北緯25~南緯25度のコーヒーベルト(珈琲の生産に適しているといわれる地帯)にあり、かつ標高が高く、珈琲の栽培に適した場所です。
 バアヤン村は、カンカナイ族、イバロイ族といった先住民族の人々が、森からの恵みを受けて暮らしてきた地域です。1700年代にスペインから持ち込まれたアラビカコーヒーは、村で暮すひとびとの裏庭に植えられ、客人のもてなしに振る舞われたり、生活に根付いてきました。

■〈バアヤン村〉コーヒーは、「アグロフォレストリー」という方法で栽培されています。これは、コーヒーの木だけでなく、多種類の樹木や作物を組み合わせる栽培方法で、現地の自生林である松林のなかに、コーヒーの木とともに、ショウガやサツマイモ等を植えています。この栽培方法により、無理な焼畑などによって失われた森林を再生し、地すべりや土壌沈下を防ぎます。また、一緒に植えた農作物は、生産者の食糧ともなります。コーヒーの木の栽培には、農薬や化学肥料は使っていません。また、堆肥など自然のなかで循環できる素材を活かした苗木づくりをしています。

■〈バアヤン村〉コーヒーは、バアヤン村トゥゴイ地区の17名からなる「バアヤン村有機農業実践者組織:BOFPA」と、バアヤン村バウイ地区にある30名からなる「バウイ地区アラビカコーヒー有機生産者組織:BACOFA」が生産しています。
 珈琲豆を収穫後、果肉から豆を取り出し乾燥させますが、豆をどれくらい乾燥させるかは、珈琲豆の品質にかかわる重要な工程です。本格的な珈琲栽培に取り組んでいる生産者たちから「水分計」の要望があり、珈琲工場&百屋は、水分計をバアヤン村に届けようと思っています。

■現地の環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク」(CGN)は、1996年にフィリピンへ移住した反町眞理子さんが、現地の先住民の人たちと2001年に立ち上げたNGOで、環境教育、植林やコーヒーのアグロフォレストリーによる森の再生事業、フェアトレード事業、アートを活用した環境教育事業などの活動を展開しています。

■珈琲工場&百屋では、〈バアヤン村〉珈琲の特徴――口当たり軽くまろやかな味わい、後味にほのかな苦味と甘み――をいかした焙煎をしています。フローラルな不思議な香りに包まれる、至福の時間をお届けいたします。